うつ病の治療

 うつ病の治療の基本は「お薬」と「休息」です。特にうつ病の症状が重い時には投薬治療によって症状を緩和させることが大切です。ただ、投薬治療によって症状を抑えても、ストレスの原因となる仕事や家庭の問題を抱えたままでは、症状が悪化するケースもあり、投薬治療に合わせて「休息」を取ることがとても大事です。

投薬治療が経営者に与える影響

 健康な体と心を取り戻すためには、うつ病の症状を緩和させる投薬治療が大切です。しかし、抗うつ薬には「頭がぼんやりする」「眠くなる」「倦怠感」など様々な副作用があります。特に抗うつ薬を飲み始めた初段階や薬の種類や量を変えた時などには、副作用が強くなることもあります。

 経営者の最も大切な仕事は会社の意思決定です。しかし、このような副作用が強くでると、大事な意思決定に対しての判断能力が低下します。また、”抗うつ薬を飲むことが、自分の弱さを認めることになる”と悲観的に考え、投薬治療を続けず、うつ病の症状を悪化させるケースもあります。このような事態に陥ると、経営者本人だけではなく、家族や従業員にもマイナスの影響を与える可能性があります。

注目される認知行動治療法

 近年、鬱の治療方法として、注目が高まっているのが認知行動治療法です。認知行動治療は、投薬による治療ではなく、物事のとらえ方、考え方の癖を直し、心にかかるストレスを緩和する療法です。厚生労働省にも認められた鬱の治療方法であり、近年は多くの医療機関で実施されています。「現実の受け取り方」や「ものの見方」などを修正することで、ストレスに対して強いこころを育てます。

認知行動治療と投薬治療の関係

 うつ病に限らず、精神疾患の治療は、①薬を使った投薬療法、②気持ちや考え方を整理する精神療法、③病気のきっかけになるような負担をできるだけ少なくする環境調整、という3つを組み合わせて行われています。

 投薬療法は、確かに効果のある治療法なのですが、だれにでも効果のある万能の方法ではありません。うつ病の場合、抗うつ薬をいろいろ工夫しても、投薬療法だけで症状がほとんどなくなる人は6~7割です。うつ病の治療は、薬だけでは不十分なことが多いのです。

 そのときに役立つのが、認知療法、または、認知行動療法と呼ばれる精神療法です。

 薬には副作用がありますが、認知療法のような精神療法には、はっきりとした副作用はありません。そのため、アメリカやイギリスの治療指針では、うつ病が軽いときには薬を使うよりも、認知療法を使う方が良い場合が多いとされています。

 また、重症のうつ病では、薬物療法と一緒に認知療法を使うと、薬物療法だけの場合よりも治療の効果が高くなることがわかってるほか、症状を和らげるだけでなく、再発を減らす効果があることもわかっています。

〖関連コンテンツ〗