相談者のプロフィール
- 業種・規模: 卸売業(従業員8名)
- 年齢: 40代前半
- 相談のきっかけ: 大口取引先との商談中に動悸・息苦しさが起こり、その後「また起きたらどうしよう」という不安で商談に臨めなくなってきた
相談時の状況
創業10年目、売上も順調に伸びていた時期に、突然の発作が起きました。その後、医療機関でパニック障害の診断を受け、薬を処方されましたが、「薬に頼り続けるのは怖い」「いつまでこの状態が続くのか」という不安が消えませんでした。
特に困っていたのは「予期不安」でした。発作そのものよりも、「また起きたらどうしよう」という恐れが先に立ち、重要な商談や会議を避けるようになっていました。経営判断が後ろ向きになり、事業の成長が止まりかけていると感じていました。
支援の内容
1. 「発作が起きたとき、何が起こっているか」を整理する
パニック発作のメカニズムを一緒に整理しました。「危険な状態が起きているのではなく、不安に対する身体の反応である」という理解が、恐怖を少し和らげることにつながりました。
「息ができなくなった」という感覚も、実際には呼吸は止まっていないこと、過呼吸状態になっているだけであることを確認しました。
2. 「もし起きたとしても」の対処を準備する
「また起きたらどうしよう」という不安に対して、「もし起きたとしたら、どうするか」を事前に計画しておくセッションを行いました。
- 商談前に5分間の腹式呼吸を行う
- 発作の気配を感じたら「少し失礼します」と言って席を外す
- 外に出て新鮮な空気を吸い、呼吸を整える
「対処法が手元にある」という安心感が、予期不安を軽減しました。
3. 少しずつ「避けていた場面」に戻る
短時間の小さな商談から始め、成功体験を積み重ねることで「自分はできる」という感覚を取り戻しました。最初は10分の電話商談から、徐々に対面の商談へと段階的に取り組みました。
結果
- 2ヶ月後には対面商談に支障なく臨めるようになった
- 「発作への恐怖が8割くらい減った」とのご報告
- 事業の新規開拓を再開し、半年後に新規取引先2社と契約
この事例から学べること
パニック障害は「逃げ続けること」で症状が維持・強化されやすい傾向があります。適切なサポートを受けながら、少しずつ「避けていた状況」に向き合っていくことが、回復の鍵になります。
「また起きたらどうしよう」という不安は、準備と経験の積み重ねで少しずつ小さくなっていきます。