認知行動治療によるカウンセリング

 私たちカウンセリングルームで対話手法のベースになっている認知行動療法について説明します。認知行動療法とは、私たちの物事の受取り方や考え方に働きかけて、気持ちを楽にしたり、行動を主体的にコントロールする治療方法です。

 私たちは、何か問題が起きたときに、それが「良い」か「悪い」かどちらかに判断しがちです。しかし、事業活動や私生活の中で、今、起きた出来事や状況が「良い」「悪い」とはっきり区別できることは、そうおおくはありません。

 たとえば、事業の売上があがっているときでも、商品を仕入れる運転資金が不足することもありますし、反対に、運転資金や在庫は潤沢にあっても、お客様からの注文がなかなか来ないこともあります。物事には両面があります。全てがダメというわけではなく、ある部分はうまくいってる、ということはよくあります。また、ある出来事が良かったか悪かったかは、その後の展開でずいぶん違ってきます。良くなかったと思ったことが、最終的には良い結果に結びつくということは、私達の生活の中ではよくあります。

認知的技法と行動的技法

 認知行動療法では、「自分のものの受け取り方を振り返り、客観的に現実を見つめ直すアプローチのこと」を認知的技法といいます。一方、「問題に対処する方法を身につけたり、対人関係を改善するコミュニケーション術を学んだりするアプローチのこと」を行動的技法と呼びます。認知的技法と行動的技法を上手に織り交ぜながら、クライアントの問題解決能力を底上げする≒生きる力を育む(あるいは、気分を改善する)ことが認知行動療法の目的です。

 認知的技法と行動的技法を習慣として身につけることで、投薬治療だけでは治らなかったうつ病が回復するケースがあり、認知行動療法は、うつ病の治療手段の一つとして注目されています。

オンライン・カウンセリング

 当相談室では、認知行動療法をベースにしたオンライン・カウンセリングを実施しています。オンライン・カウンセリングの目的は、経営者が自分自身の思考の変化や癖に気づき、認知を修正する力を高めることにあります。オンライン・カウンセリングのプログラムは下記にとおりです。

●オンライン・カウンセリングのプログラム

  • 活性化シートによる心の変化の把握
  • 思考記録法(コラム法)を使った認知の再構成
  • 問題解決スキルを高める ブレーンストーミング法の習得
  • 自分の気持ちや考えを伝えるスキルを高めるアサーション訓練
  • 自分の考え方の癖を変えるスキーマ修正

 なお、オンライン・カウンセリングには、ZOOMやチャットワークスを利用します。インターネットに繋がる環境があれば、匿名での参加も可能です。

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